「生活情報交換会3月例会」更生保護とは?

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

今日(3月15日 金 am)は、「生活情報交換会 3月例会(講演会)に参加しました。

 

  生活情報交換会は、静岡市のアイセル21に拠点を置いて、原則として月一回第三金曜日に講演会を開催していますが、今日は159回目、聴講者は30名でした。

 

今日の演題は「更生保護の概要について」で、講師は、法務省 静岡保護観察所 池野英樹企画調整課長さん でした。

 

池野講師のお話は、先ずは自己紹介から始まりましたが、現在54歳、長野から始まり甲府・東京・千葉・また東京へ戻って管理職へ、現在は静岡へと赴任を繰り返し、この間少年院勤務も経験し保護観察官としては超ベテランだ。

 

池野講師は「更生保護とは」から本題に入りました。

 

■ 更生保護とは、

犯罪者(19歳以上の成人)、非行少年(18歳以下)を、社会の中で適切に処遇することで、再犯、再非行を防止することだという。

 ※これを「社会内処遇」と言い、刑務所・少年院は「施設内処遇」と言う。

 

更生保護は、何と明治21年(1888年)に設立された静岡県出獄人保護会社」が発祥だという。

 

犯罪者は大きく減少の中、再犯者の割合は年々上がり現在は45~50%弱で、再犯を減らすことが最重要になっているとのことだ。

 

■ 保護観察の流れ実刑で刑務所行きや少年院送致以外)

 成人の場合は実刑者は刑務所行き保護観察付き執行猶予に分かれる。

 ◆未成年(少年)の場合は少年院送致保護観察(少年院に行かない人)に分かれる。

 

■ 更生保護の担い手

 ◆保護観察官心理学・社会学・教育学等の更生保護に関する専門知識を持つ国家公務員をいう。静岡県内に9人在籍。

 ◆保護司:保護観察に付された者の立ち直りを地域で支えるボランティアをいう。身分は非常勤の国家公務員守秘義務あり。具備条件・欠格事項・任期・任務等の規定あり。静岡県内に1,365人在籍。

 ◆更生保護施設:非行少年や犯罪をした成人のうち、住むところがない人が一時的に生活して自立のために、生活訓練・指導・就労支援を受ける民間の施設を言い、法務大臣の認可を受けて運営、この他に届出制で自立準備ホームがある。

 ◆協力雇用主:保護観察中であることを承知の上で雇用する企業のことを言い、県内650社で建設業が多いという。

 

更生保護の役割・活動

 ◆保護観察:保護観察官が面接し処遇方針を立てる。保護司は基本的に月二回面接し、月一回保護観察官に報告する。

 ◆この他、生活環境の調整・犯罪予防活動・更生緊急保護・地域援助等の活動がある。

 

■ 保護観察の方法

 ◆指導観察:接触し行状を把握、遵守事項を守って生活・行動するよう指導を行う。

 ◆補導援護:適切な住居確保の援助・医療及び療養を受けることの援助等。

 ◆一般順守事項:全員が守らなければならない約束事がある。

 

■ 保護観察対象者に対する処遇

 ◆就労支援:ハローワークとの連携・都道府県の就労支援事業者機構等との連携・協力雇用主との連携・新規開拓

 ◆専門的処遇プログラムの用意と実施

 ◆社会的貢献活動:清掃活動や介護補助の体験会

 

以上で池野講師は講演会を締めました。

 

前回2月は、刑務所内の教育や生活の話でしたが、今回は執行猶予者や刑務所・少年院を出所して来た人達を社会の中でどう更生して貰うか、シリーズの講演会になりました。

 

こういう話は滅多に聴けない話で有意義でした。講師の池野さん、ありがとうございました。お疲れ様でした。